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2012年3月25日 (日)

黒沢明の「生きる」を見て、「お前は、どう死んでいくのか?」と問う

人は、高齢になるに従って
「死」を意識するようになる。

この世に生を受けてから、
「死」に向かって突き進むのは
誰もが解っている真実。

そして、「死」に直面した時に、
人はどのように対応するのか?

「死」を背後に感じながら、
「何故生きるのか、何故生きているのか」を

巨匠・Yamada100_3黒澤明は

映画『生きる』で描いてみせた。

NHK-BSの

「山田洋次監督が

選んだ日本の名画100本」

で観た。

 昭和27年の作品だから、60年前の
作品であるが、古さを通り越して
この映画の展開はどうなるのか?
似たような年齢になった自分と
主人公・志村喬とを重ね合わせながら、
ぐいぐいと惹きつけられて観てしまった。

制作意図を、黒澤監督はこう語っていた。

「この映画の主人公は死に直面して、
 始めて過去の自分の
 無意味な生き方に気がつく。
 いや、これまで自分がまるで
 生きていなかったことに気がつく。
 そして残された僅かな期間を、
 あわてて立派に生きようとする。
 僕は、この人間の軽薄から
 生まれた悲劇をしみじみと
 描いてみたかったのである」

時代を超えて人々の心を打つ真の姿が、
この映画からメッセージとして、
発信されているように思えた。

この映画はあまりにも有名な映画だから、
詳細は何処かで書かれているだろう。

自分の気になった、心に惹かれた部分だけ
あげてみたい。

主人公・渡辺勘治は、市役所の市民課長である。
30年間、可もなく不可もなく、ただただ無難
に働いてきた。

まさに、自分の人生と重なる!

そのような彼が、胃痛で病院へ行く。
「軽い胃潰瘍」と言われる。
あの時代、癌の告知なんてなかった。

自分の母親も癌と告知されず死んでいった。

でも、渡辺勘治は癌であると自覚する。

さあ~、余命幾ばくもない人間は
どうするのか。

早くに妻と死に別れ、男手1つで
育ててきた息子は、父親の退職金を当てにして、
妻と2人だけの新居建築の計画を立てている。

父親の心境の変化など微塵もわからない。

多分、今の渡辺勘治の気持ちを少しでも
理解してくれる人が欲しかったに違いない。

頼りにしたい人間が、頼りに出来ない。
彼は、寂しかったに違いない。

飲み屋で知り合った遊び人風な男に、
「金をひと思いに使う方法を教えて欲しい」
と頼む。定番の酒、ギャンブル、女の世界
に入っていく。

この映画の山場の一つが、
酒場で歌う「ゴンドラの唄」だろう。

「生命短し  恋せよ乙女……」 と歌い出す。

山本晋也監督曰く、男優の歌でこんなに長回した
映画はほとんど観たことがないという。

フルコーラス、志村喬扮する渡辺勘治が
涙を流しながら歌った。

いのち短し 恋せよ少女
 朱き唇 褪せぬ間に
 熱き血潮の 冷えぬ間に
 明日の月日は ないものを

 いのち短し 恋せよ少女
 いざ手をとりて 彼の舟に
 いざ燃ゆる頬を 君が頬に
 ここには誰れも 来ぬものを

 いのち短し 恋せよ少女
 波に漂う 舟の様に
 君が柔手を 我が肩に
 ここには人目も 無いものを

 いのち短し 恋せよ少女
 黒髪の色 褪せぬ間に
 心のほのお 消えぬ間に
 今日はふたたび 来ぬものを

朝帰りの渡辺は、同じ市民課の事務員で、
自由奔放に生きる小田切とよと出逢う。

彼女の穴の開いた靴下を見て、靴下を
プレゼントする。

ささやかな贈り物に無邪気に喜ぶ彼女を見て
彼女の底抜けの明るさと若さに、
渡辺はまぶしさを感じたのだろう。

年甲斐もなく、彼女を誘って食事や映画に行く。

そして、ある日、
「君は、どうして、そんなに活気があるのか。
 私は、死ぬまで1日でもよい、
 そんなふうに生きて、死にたい。
 いや、それでなければ、とても死ねない。
 私は、何かしたい。何かすることがある。
 ところが、それが分からない」

ウサギのおもちゃを見せて小田切とよは語る。
「こんなものでも何か人に喜ばれるものを
 作っていると思うと嬉しいの」

その言葉を聞き、ウサギのおもちゃを手に
渡辺は喫茶店を出て行く。

その帰り際に、喫茶店の奥では、誰かの誕生日を祝う
「ハッピバースデーツーユー」の曲が流れる。

死んでいく者と誕生を祝うコントラスト。

そして、葬儀の場面。え!この映画はもう終わり?
って思ったら、なんとなんと、祭壇の前で
延々と渡辺の死の直前での動向が語られていく。

「人のために役立つ仕事をすれば、
 生きる喜びが味わえるのではないのか」
住民の陳情に応え、汚いどぶを埋め立てて、
公園を造ろうと動く。まさに、命を賭けて…。

渡辺勘治は、自分が造った公園で死んだ。
雪の降る寒い夜、人知れず、
ブランコに乗り「ゴンドラの唄」を歌いながら。

死んだ後に、残された人間にどう評価されるのか?
それは、たいしたことではないのかも知れないが、

「充実感を持って死ねる」ということは、
羨ましい生き方だったと言えるのではないだろうか。

果たして、自分は、
「満たされた心」を持って、
死ぬことが出来るのだろうか?

そんなことを、考えさせられる映画だった。

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