無料ブログはココログ

楽天

  • 楽天トラベル
  • 楽天ブックス

金色書店

« 寺尾 聰が熱演!「さまよう刃」を観て、思わず撃て!と言ってしまった! | トップページ | まさに!愛はときおり、急ぐ旅をするんだね。妹に送る!音羽しのぶの「愛はときおり」 »

2011年2月26日 (土)

キャラの強さに釣られて読んだ、西村賢太の「苦役列車」だが…。

Kueki

腰巻のリードは、つぎのような一文で始まる。

「友もなく、女もなく、
 一杯のコップ酒を心の慰めに、
 その日暮らしの港湾労働で
 生計を立てている十九歳の貫多。

 或る日彼の生活に変化が訪れたが…。
 こんな生活とも云えぬような生活は、
 一体いつまで続くのであろうか―。」

頑なに私小説にこだわる作者である。
俗に言う小説からしからぬ作家。
淡々としているが、キャラが強い。
そして、アクテイブな孤独な作家?

受賞決定後の記者会見の模様をチラッと
http://www.youtube.com/watch?v=WGvsJH9Z_S8

中学卒業後、肉体労働で生計を立てる、
ダメ男の日常的ドラマが書かれいた。

一日5500円を稼ぎ、次の仕事場への
電車賃を残して、飲み食い女に使う。

電車賃を握りしめ、早朝、
空腹に耐えながら仕事場に向かう話の
描写と心理は説得感があった。

部屋代を滞納して追い出される男には、
生活必需品しかなく、
ましてワープロなど持っているはずもなく、
原稿は、全て手書きだという。

だが、その古典的語彙と漢字力には脱帽。
さらに、自分の言葉、自分の文体を
身につけているのは素晴らしい。
まさに、西村健太ワールドである。

友もなく、女もいない筆者にとって、
唯一の友は、本であったのだろう。
読書での理解力、学習力には舌を巻く。

今時の高校生に学ばせたいものだ。

物語は、淡々と進む。
家庭崩壊をさせた父親への恨み、
学歴へのコンプレックス。

でも、一寸待てよと思った。

「友もなく」って、リードにあるけれど
いたしょ!日下部くん。

この専門学生との付き合いの中で、
自己存在を一層、際立たせている
のかもしれない。

もう一遍の
「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」。
「ぎっくり腰ひとつ」で、9頁も
費やした文章を書けてしまうのは凄い。

筆力というか、表現力というか
文章力というのか、相当な実力を
持っているように感じた。

野間文芸新人賞を取った筆者だが、
川端康成文学賞が欲しい!

その心境を包み隠さず表現している。

該当賞に関係する作家の作品を
手にすると受賞するというジンクスに
引かれて、飯もそっちのけで
古本屋に入り、本を物色する。

筆者のこだわりと本好きが見えてきて、
少々可愛く思えた。

先の見えない、終着駅もわからない
その日暮らしをただ走り抜ける「苦役列車」。
その乗客になった貫多は、何処に行くのか。
だが、西村賢太には気になる
「文学賞」受賞という向かうべき駅がある。

さて、自分はというと、

「友もなく、夢もなく、
 一杯のコーヒーを心の慰めに、
 その日暮らしをしている。
 
 『惰性列車』に乗って、
 いつまで旅を続けるのだろうか。」

« 寺尾 聰が熱演!「さまよう刃」を観て、思わず撃て!と言ってしまった! | トップページ | まさに!愛はときおり、急ぐ旅をするんだね。妹に送る!音羽しのぶの「愛はときおり」 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/221949/50976036

この記事へのトラックバック一覧です: キャラの強さに釣られて読んだ、西村賢太の「苦役列車」だが…。:

« 寺尾 聰が熱演!「さまよう刃」を観て、思わず撃て!と言ってしまった! | トップページ | まさに!愛はときおり、急ぐ旅をするんだね。妹に送る!音羽しのぶの「愛はときおり」 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック